【解説】オクトパストラベラーは何がすごかったのか

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こがめ
こがめ

どうもこがめです.

私は,オクトパストラベラーを好き過ぎるが故に,単にゲームをプレイするだけでは飽き足らず,世界観の設定や登場人物の過去の考察等を日々行っております.
そんな私がオクトパストラベラーの何がすごかったのかという点に着目し,魅力を7個挙げ徹底解説していこうと思います.

それではいきましょう.

 

自由度の高さ

早速1つ目の魅力です.
1つ目はまず何と言っても,過去のRPG作品の中でも未だかつてないほどに高い自由度です.
中でも最大の魅力は,ゲーム内に存在するほぼ全てのNPC(ノンプレイアブルキャラクター)に対して介入することができる点です.

これは,登場する8人の主人公がそれぞれもつ特有のフィールドコマンドというもの使用することで実現されます.
例えば,とある村にいるあるキャラクターが所持しているアイテムを盗むことができたり,試合を挑んで戦ってみたり,仲間にして冒険に連れ回すことが可能です.
しかもノンプレイアブルキャラクターの総数は約600以上と膨大な数が存在しますので,行く先々で出会うNPCたちに対してあらゆる方法で触れ合うことができるのです.
中には非常に強力なアイテムを所持している者や,強力な戦闘力を持った者も存在していますので,気付けば全てのキャラクターに話しかけてしまっていたというのが,作品における”あるある”だと思います.

しかし,ただ自由度が高いというわけではなく,勿論絶妙なバランス調整が取られています.
例えば,アイテムを盗む際はNPCの強さと主人公のレベルの差に応じて盗める確率が決まったり,仲間に加える際には主人公の最低レベルが決まっていたりするなど,ゲーム本来の遊びが崩れない程度の調整が施されています.

またその他の要素としても,ストーリーの攻略順序をプレイヤー自身が任意で決めることができたり,仲間にするキャラクターを自由に選択できたりと,とにかく様々な遊び方が可能な設計になっています.
かつてない程の自由度,そしてそれを支える絶妙なバランス調整が魅力的に感じます.

ドット絵の採用

2つ目は映像表現方法としてドット絵を採用しているという点です.
オクトパストラベラーの開発初期のコンセプトとして,「FF6のようなドット絵グラフィックにする」,「キャラクターは2Dにする」,「背景は3D化する」等の基本路線は決まっていたと言います.
また開発に携わった主要メンバーがスーパーファミコンのRPG黄金世代と言われる作品に思い入れが深いこともあり「1番好きだったころのゲームを自分たちの手で作りたい!」という情熱がきっかけで誕生した作品でもあります.

当時爆発的人気となったFFシリーズやDQシリーズ,クロノ・トリガーなど尊敬すべき作品であり,且つ目標とすべき存在という共通のゴールを目指し約3年以上の月日を費やして開発が行われました.
ただ,そのコンセプトは開発スタッフ陣だけでなく,多くのプレイヤーにとっても大きな魅力の一つとなりました.

3DCGが発達した現代において,ドット絵のゲームというのは非常に少なく,ドット絵による表現に飢えていたプレイヤーや当時の楽しさをもう一度味わいたいプレイヤー等,多くの人の目に留まるキッカケになりました.
その結果,国内に留まらず,海外でも人気を博す結果となりました.
それほどドット絵というのは一表現技法に留まらない,パワーを秘めたものだと感じています.

ドット絵の進化

3つ目はドット絵を最新技術を用いて進化させている点です.
オクトパストラベラーの開発コンセプトの一つとして「古き良きRPGでありながら最新技術で進化したドット絵のRPG」というものがあります.
これは先に述べた,ドット絵表現の使用をコンセプトにしながらも,単なるドット絵表現とするだけでは不十分だということを意味しています.

その大きな理由として開発スタッフ陣が挙げている言葉があります.
それが”思い出補正”です.
人間の記憶には過去の思い出を美化する機能が備わっており,それは子供の頃にプレイしたゲームの記憶に対しても適用され,並大抵の作品ではその思い出補正を超えることはできない,という考えに基づいています.
ましてや現代において3DCGを駆使したゲームに触れたことのある人にとって見れば,非常にチープ映像表現としてしか認識されません.

そこで本作独自に考案されたのが”HD-2D”という表現技法です.
ドット絵と最新3D技術のハイブリッド表現により,「ドット絵だけれど美しい」,「3Dだけれど懐かしい」という独特の描写を可能とし,オープニング映像は勿論,旅先で訪れるいくつもの景色が色鮮やかにプレイヤーを魅了します.
まさに”思い出補正”という大きな壁を見事に乗り越えた作品だと感じます.

ゲームミュージック

4つ目は作中の随所で挿入されるゲームミュージックです.
オクトパストラベラーをプレイした多くの人が必ずと言っていい程この作品の魅力として挙げるのがゲームミュージックの素晴らしさです.
オクトパストラベラーの音楽の多くはオーケストラ形式で収録され,楽器の数,音の種類,音圧など非常にスケールの大きな曲に仕上がっており,曲単体で見ても非常に素晴らしく,単独でコンサートが行われる程です.

また一部の村やキャラクターのテーマ曲においては,敢えてピアノのみの演奏にしていたりと,ゲーム全体を1つの音楽作品として見た際,非常にバランスがとれており,まるで1つのアルバムCDを聞いているかのようです.
更に,ゲームの戦闘シーンをより盛り上げる要素として,イベントシーンとバトルシーンの音楽,そしてその中間的な音楽を用意してバトルシーンへスムーズに移行していくという,より没入感をプレイヤーに与える手法が取り入れられています.

これらが総合的に評価された結果,2018年度のファミ通アワードにて「最優秀ゲームミュージック賞」を受賞しており,またこれが記念すべき最初の受賞作品となっています.
ちなみにオクトパストラベラー自体も同年度に「優秀賞」と「ルーキー賞」を受賞しており,正にゲームと音楽の融和が楽しめる,そんな作品だと思います.

全てのキャラクターに歴史がある

5つ目は全てのキャラクターに歴史があることです.
先程,NPCに対して様々な方法で介入できるということをお話しましたが,それらNPCの全てが歴史を持っています.
例えば,「一見普通の家庭で生まれ育った成人女性のようなキャラクターだが,実は過去に両親にある理由で捨てられ,今は育ての親と暮らしており,本人はその事実を知らない」だったり,穏やかそうに見える老婆についても「実は過去に何人もの人を殺めた人物で,現在はその事実を伏せるかのように穏やかに暮らしている」等々.
全てのNPCに対してそれぞれのバックグラウンドや現在の状況,抱える悩みなどが細かく設定されているのです.

そして更に,そのうちの一部のNPCにおいてはサブストーリーと呼ばれるものが展開されます.
これにより,その人物自身や関わる人々をより深堀した物語を見聞きすることができ,彼らに隠されたストーリーや彼らの住む町,地域,そしてこの世界の成り立ちへの理解を深め,より一層オクトパストラベラーの世界が好きになれる要素となっています.

正にこの世界にNPCが息づいていることを感じることができ,主人公は勿論,全てのNPCにも物語がある,その膨大な詳細設定こそがオクトパストラベラーの雰囲気や魅力,ブランドとしての深さを成立させていると思います.

魅力的な8人の主人公とそのストーリー展開

そして6つ目です.
6つ目は魅力的な8人の主人公とそのストーリー展開です.
オクトパストラベラーの主人公は8人存在し,その8人が共に旅をしながらそれぞれの物語を紡いでいくという,所謂オムニバス形式をとっています.
8人のそれぞれの生立ちや抱える思い,旅の理由等は千差万別で,自分探しをする者や夢を叶える為に旅に出るもの,中には父親を殺された復讐の為に旅に出る者など,正にオムニバス形式ならでは多種多様なラインナップです.

ただ,これらの物語と過去の名作RPGとでは明確に異なる点があります.
それは,旅の目的が「世界を救う」ことではなかったり「必ずしも勧善懲悪とは限らない」という点です.
8人それぞれが持つ価値観,そして彼ら彼女らが対峙する人々が持つ価値観,それらがぶつかりながら物語が展開されていきます.
そのせいもあって,中にはプレイヤーとして共感できないものや理解が難しいものが存在することもあります.

しかしこれは,オクトパストラベラーという作品が,過去の大作RPGのような王道ファンタジーを描くのではなく,人々の考え方や価値観にフォーカスしたヒューマンドラマを描いているという大きな違いがあります.
過去の名作RPGを体験したプレイヤーをドット絵などの表現で引き込みつつ,物語の主軸はその”かつてのプレイヤー”が大人になったことを前提に作り上られていると感じます.

世界観の深さ

7つ目は,世界観の深さです.
オクトパストラベラーの一番の主軸になるものは8人の物語であり,その舞台となる世界「オルステラ大陸」については必ずしも深い理解が無くとも,物語を進めることができ,十分に楽しむことが可能です.

ただそれだけではなく,物語を進めていくうちに,この世界について様々な気づきを得ていくことになります.
例えば,主人公のうちの一人の職業が病気の為の薬を作る”薬師”なのですが,そもそもなぜこの世界に”薬師”という職業が必要なのか,そして”薬師”がいないとこの世界はどうなってしまうのか,等です.
このように物語を進めるに連れて自ずとこの世界の歴史,時代背景,仕組みに対する理解が進むような仕掛けが施されており,それを知るたびに,登場人物たちの行動の動機,理由に納得がいく構造になっています.

そして更にその前提にあるのは壮大なスケールの世界観で,大陸の小国の対立構造や大陸の歩んだ歴史,世界の創生神話等,膨大な世界設定です.
ただこれらは本作の中で全てが語られるわけではなく,多くの謎が残されるため,多方面で考察が行われたり,続編への布石になったりと様々な作品展開の可能性を秘めています.
つまり,シンプルに作品を楽しむこともできれば,どっぷりと世界に浸かることもできるという絶妙な世界デザインがされていると感じます.

さいごに

以上がオクトパストラベラー7個の魅力でした.

もちろんこの他にもたくさんの魅力があります.発売からしばらくたった今だからこそ,もう一度この素晴らしいゲームを振り返ってみようと思い,今回こちらの動画を製作しました.
どこか共感して頂ける点もあったかなと思います.

私と同じようにオクトパストラベラーが大好きな方に見て頂けていたら嬉しい限りです.
また,オクトパストラベラーをまだプレイしたことが無い方はぜひやってみてください.
きっと素敵な思い出になるはずです.
そして,記念すべき”8つ目”の魅力を,いつか私に教えて頂けたら嬉しいです.

最後に本記事のSNSでのシェアやこがめのSNS,Youtubeのフォローをお願い致します.
記事制作のモチベーションになっています.
それでは読んで頂きありがとうございました.

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